2011年4月1日金曜日

復興構想asahi.comニュース

 菅直人首相は1日、首相官邸で記者会見を開き、東日本大震災の被災地再生の街づくりの構想を明らかにした。有識者や被災地関係者の「復興構想会議」を設置して具体策を練る考えも表明。月内に補正予算案をまとめ、超党派の態勢づくりをめざす意向も示した。

 首相は「すばらしい東北、日本をつくるという夢を持った復興計画を進める」と強調。被災地の首長らとの意見交換を踏まえた構想だとした。具体的には、大津波の襲来を受けた三陸沿岸の再生策について「山を削って高台に住むところを置き、海岸沿いの水産業(会社)、漁港まで通勤する」「植物やバイオマスを使った地域暖房を完備したエコタウンをつくり、福祉都市としての性格も持たせる」などと説明した。

 そのうえで、「世界で一つのモデルになるような新たな街づくりをめざしたい」と強調。構想の肉付けを含む復興の青写真を描くため、震災から1カ月となる今月11日までに、土地利用の専門家や被災地関係者、有識者らの復興構想会議をつくる考えを示した。

 この会議では街づくりのほか、被災地の国有化を含めた土地利用のあり方など幅広く議論する方向。ここでの提案の具体化や実行の態勢づくりについて、首相は「与野党を超えた協力を推し進める。野党各党の力を借り、ともに計画を立てていく形が生まれることを切望する」とした。

 高台に住宅を移す案は、首相が3月26日に岩手県大船渡市の戸田公明市長と電話で話した際に要望があった。戸田市長は低地の木造住宅を高台に移し、住宅跡地を市が買い取る意向も示していた。バイオマス活用や林業再生は首相の持論でもある。民主党がまとめた復旧復興対策基本法案でも、集落の集団移転支援や国による被災地の買い上げ、復興に当たっての土地所有権制限などが提言されている。

 復興案作りでは災害に強い街づくりの議論が本格化しそうだ。ただ、被災地を国有化するには、土地を所有する住民らとの調整が必要になる。新たに住宅を建てる用地の確保なども課題になり、被災地の意向をくみながら丁寧に議論を進めることも求められそうだ。

 首相は緊急の復旧事業について、被災地に残された膨大ながれき撤去や被災者の仮設住宅建設、雇用確保策の必要性を指摘。「今月中に第1次補正(予算案)の中身を固めて国会に提出したい」と語り、その後も数回にわたり補正予算を組む考えを示した。

 一方、首相は東京電力福島第一原発の事故への対応について「長期戦も覚悟する。(原子炉の)冷却機能をきちんと回復するところまでしっかりつなげていくことが一つの目標」と指摘。放射能漏れ対策で、米国やフランスなどとの国際協力を重視していく姿勢を示した。国も原発事故の補償で応分の負担をする考えを示しつつ、東電の今後のあり方については「基本的には民間事業者として頑張っていただきたい」と語った。
.http://www.asahi.com/politics/update/0401/TKY201104010428.html

0 件のコメント:

コメントを投稿

連山・ブログ衆・(未)